この映画を通して、数年前うどんの手打ちにこだわる小野ウどんという人間が、どういう思いで生きてきたかがよくわかりました。若い子には珍しく"職人を極める"ということにこだわり、毎日休まずにうどんと向き合い、うどんの声を聞く努力をしていたのが理解できます。昔の私と考え方が似ていて共感できました。
これからの時代は、今ある仕事はほとんどが機械でできるようになります。しかし小麦粉と水と塩だけで生地を作り、その生地と会話しながらうどんを作っていく工程は、なかなか機械では再現するのは難しいと思います。職人技とはこのような数字(データ)では表すことができない感覚でいろいろなものを作り出す事だと思います。
小野くんが「手打ちうどん職人を育てること」に加え「うどん職人を将来なりたい職業ランキングで上位にしたい」と言うのは、これからの時代を安心して生きていけるように、という意味も込められているのだと感じました。
幅広い世代にこの映画を見てもらい、小野ウどんのように、どんなことにも挑戦できる人が増えるような日本になるように、私も応援しています。観てくれた方の心に、なにかを灯せる映画だと思います。
小野ウどん、思うまま進んで下さい。
讃岐うどん 谷や 谷 和幸