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車上生活する小野ウどん

金なし店なし家もなし。

東京で車上生活するうどん職人、小野ウどん。

シン・うどんマンの生活と冒険。

INTRODUCTIONイントロダクション

2017年、都内某所にカーテンで中が⾒えない
⼀台の⾞が停まっている。

寝起きの顔で中から現れたのは、
⼩野ウどん(当時27歳)。
家も店も持たず、⾞上⽣活をしながら
“出張専⾨讃岐うどん職⼈”として活動している。

依頼さえあれば、⽇本中どこでも
移動してうどんを打つ⽇々のなか、
⼩野ウどんは新しい冒険に出たいと考える。

車上生活する小野ウどん タイムズスクエアでうどんを踏む小野ウどん

「ニューヨークでうどんパフォーマンスをしたい、
トランプタワーの前でうどんを打ってみたい。」

クラうどんファンディングにて資⾦集めを開始すると、
わずか4⽇間で⽬標⾦額を達成。

⼩野ウどんの⽇本での⽣活と、
単身渡米したニューヨークでの10⽇間を収めたドキュメンタリー。

CAST出演者

うどんアーティスト/
出張うどん職人
小野 ウどん

小野ウどん氏近影

うどんアーティスト/出張うどん職人小野 ウどん

うどんをあらゆるアプローチから打ち鳴らしロックに表現するうどんアーティスト(出張専門讃岐うどん職人)
水天宮の谷やなど、うどんの名店やうどんチェーンで修行後、独立。日本の手打ちうどん文化を守りうどん職人の価値をアップデートするという信念の元、様々なチャレンジを行っている。

うどんとロックを融合したパフォーマンスでフジロックへの出演、うどん総合格闘技「TEUCHI」のオーガナイズ、うどん塾でのうどん作り指南など様々な活動を行っており、テレビ番組などのメディアにも取り上げられている。また2022年には、本格讃岐式手打ちうどんを味わえる、浅草真九郎をオープン。

打ちたての食感、美味しさを生かした手打ちうどんは絶品。
日本を代表することになるかもしれない、気鋭の讃岐うどん職人。

師匠からのお言葉

この映画を通して、数年前うどんの手打ちにこだわる小野ウどんという人間が、どういう思いで生きてきたかがよくわかりました。若い子には珍しく"職人を極める"ということにこだわり、毎日休まずにうどんと向き合い、うどんの声を聞く努力をしていたのが理解できます。昔の私と考え方が似ていて共感できました。

これからの時代は、今ある仕事はほとんどが機械でできるようになります。しかし小麦粉と水と塩だけで生地を作り、その生地と会話しながらうどんを作っていく工程は、なかなか機械では再現するのは難しいと思います。職人技とはこのような数字(データ)では表すことができない感覚でいろいろなものを作り出す事だと思います。
小野くんが「手打ちうどん職人を育てること」に加え「うどん職人を将来なりたい職業ランキングで上位にしたい」と言うのは、これからの時代を安心して生きていけるように、という意味も込められているのだと感じました。

師匠の谷さん

幅広い世代にこの映画を見てもらい、小野ウどんのように、どんなことにも挑戦できる人が増えるような日本になるように、私も応援しています。観てくれた方の心に、なにかを灯せる映画だと思います。

小野ウどん、思うまま進んで下さい。

讃岐うどん 谷や 谷 和幸

DIRECTOR監督

ハヤシ テツタロウ

1983年、山形県山形市生まれ。
映像ディレクターとして、株式会社アバンクに所属。
ミュージックビデオを中心に、
音楽ライブ映像・WebCMなどを手掛ける。
本作、Not famous manが長編ドキュメンタリー初作品となる。

INTERVIEW監督インタビュー

- なぜ、小野ウどんさんを撮ろうと思ったのか?

やらなきゃよかったって思うことより、
失敗したけどやってよかったって感じることの方が多い。

思いつきはしても実行しない事の方が人生は多いけど、人が後悔するのって大体実行しなかった時で、何か挑戦して失敗してもやらなきゃよかったって思うことより、失敗したけどやってよかったって感じることの方が多いと思うんです。

小野くんはすぐ行動するので後悔が少ない生き方になっているなと。そういう風に生き続けることはできるのか?というのはみんな疑問に感じる部分だと思うし、それは実際にどれくらい大変なのか、僕も興味があって撮ってみようと思いました。

トランプタワー前の小野ウどん 移動願望がある小野ウどん

- このドキュメンタリーはどんな事を意識して撮り始めましたか?

自分の中でなんだかずっと引っかかっていたもの

当時、大手企業に勤めていて自殺してしまった若い女性がいて、良い大学を出て収入が良い会社に就職して、小野くんと歳も1つしか変わらない方だったんですけど、僕はその事件が自分の中でなんだかずっと引っかかっていました。

その方が仕事のストレスを苦に自殺してしまう現実と、状況は違えどブラック企業に勤めていた小野くんが『うどん職人になって家も金もないのに車上生活をして楽しく生きている』という現実の両方があることにまた引っかかったんです。

「金があればいいっていうもんでもない」なんてことは言われて久しいですが、じゃあなにがあればいいの?というところはこの映像を撮りながら意識した部分でした。

バーで仕事中の小野ウどん フジロックでパフォーマンスを披露する小野ウどん

- 作品としては軽くてポップな印象だが、意図した演出なのか?

軽くて笑えるドキュメンタリーがあったらいいのに

めちゃくちゃ意図しました。
この作品を観た友人からは「これはドキュメンタリー映画というより、エッセイ映画だね」と言われたりもしたんです。
そういう軽くて笑えるドキュメンタリーがあったらいいのに、と前から思っていたこともあって、実験的にやってみたところもあります。

アメリカンなサングラスを試着する小野ウどん

- この映画をどんな⼈に観てほしいか?

その先には昨日までと違う新しい日常があるかもしれない

今の仕事を辞めて職人になったり、家を捨てて車上生活するということに踏み切るのは、当然現実的にはなかなか難しいですよね。
でも彼はいったん今ある生活を捨てて「ちょっと違う世界に行ってみたい」と実行してみることで自分なりの自由と新しい経験みたいなものをちゃんと手に入れたと思います。

生活を現状維持したいのは人間の性だと思うんですが、家が無くて車の中で寝泊まりしても、別に楽しく生きていけるんだっていう感覚があるとなんか、どうでもよくなるじゃないですか。笑 現状維持に固執することがバカバカしくなってくるというか。

僕は小野くんはなにか特別な才能がある人間ではないと思っています。
でも変化を恐れないでどんどん動くという点においては圧倒的です。
その先には昨日までと違う新しい日常があるかもしれないし、それは誰にでも起こり得る特別な体験なんじゃないかと思っています。
僕自身、このドキュメンタリーを撮影するということは新しい体験ができるかもしれないと期待してのことでした。

仕事や現状が膠着していて悩んでいる人がこのドキュメンタリーを観て気楽になったり「執着するの一回やめてうどんでも食うか」と思ってくれたら嬉しいですね。笑

運転席に座る小野ウどん パフォーマンス後の写真撮影に応じる小野ウどん

TRAILER予告編

COMMENTコメント

  • 最初、この適当な事を言っている主人公を見るのか…って、 沢山の本場さぬきうどん職人を見てきた僕は「そんな簡単じゃねーよ」って見始めた。
    彼の言葉や行動力に馬鹿馬鹿しさを感じて、 いろんな人にいろいろ言われても彼の中では何も変わらなくて、 でも生きて行く力に笑いながら最後はちょっとだけ好感を持てているから不思議。

    映画監督 本広 克行 『UDON』『踊る大捜査線』シリーズ

  • これはうどんで世界を変えたいと願う若者の青春の記録であり、 青春の終わりの記録でもある。
    うどん is Rock!

    分福 映画プロデューサー 北原 栄治 『すばらしき世界』『マイスモールランド』

  • 観ている間ずっとイライラしていた。
    なぜならウどん君は自分だった。
    いや、彼より行動できている人がどのくらいいるのか?

    テレビディレクター 富永浩明 『ゴリパラ見聞録』

  • 決して脚本では書けないであろうラストの奇抜な展開に度肝を抜かれました笑
    掲げた理想に向かって、他人からすればズレた行動をとっていく主人公の姿に『あれ?自分が今してる努力の方向性、これであってるんだっけ?』と、いつの間にか自分の事に置き換えて少し悩みました。
    そんな不思議な力を持った笑える、歪な作品でした。

    街録ch ディレクター 三谷三四郎

  • たまらないモラトリアム・ドキュメンタリーです。小野ウどんさんがたくさんたくさん喋ってくれますが、すべて共感できませんでした笑
    なぜうどんなんだ?なぜニューヨークなんだ?なぜトランプタワーなんだ??その答えはロックとしか言いようがないのかもしれません。
    しかし観終わった今、小野さんに会いたくて仕方ありません。

    ヨーロッパ企画 映像ディレクター 山口淳太 『ドロステのはてで僕ら』『たぶん杉沢村』

  • 「UDON IS ROCK」とある。
    正直、ロックという言葉にどういう意味が込められているのかはすぐにはわからない。反骨精神とか無謀さとか、常識にとらわれてない精神性なのかなと思ったりする。失礼ながら「そういうノリで“ロック”って言っちゃう感じ、あるよねえ」とか思ったりしながら観始めた。
    そうしたら三味線とのパフォーマンスが思ったよりも肉体的。麺打ち台の裏にギターやベースに使われるピックアップをつけてリズムの音を鳴らす発想もアリだなあと思う。
    でも、その反面、彼自身の人となりとか考えを追っていくパートには「う、うすいのでは……」とヒヤヒヤする感じもある。
    観ながらいろんなモヤモヤを抱えて、でも主題歌のシャムキャッツ「不安でも移動」のぶっきらぼうなシャウトの格好よさに「まあ、いっか!!」となる。
    そういう不思議な余韻です。

    音楽ジャーナリスト 柴那典

  • うどんの映画なのに、うどんの味についての描写がほとんどないのがすごい。
    「別に機械で美味しいもの(うどん)作れるんで」という小野ウどんのつぶやきは、うどん業界のみならず多くの業界が今直面している現状を端的に表しているようだ。機械でできるのならば、職人ひいては人間の価値とはなにか。
    うどんの味にかわる価値転換を目論む男の、ぶっとんでいながら、実はとても真面目なうどん職人のドキュメンタリー。

    映画配給/グッチーズ・フリースクール 降矢聡

  • 「この人がどうなるか見届けたい」と思い結婚した私。彼の人生がこうして形になるなんて、ハヤシ監督や、当時彼の周りにいた方々も、私と同じ気持ちだったのかとシンパシーを感じずにはいられません。
    きっと映画を観た方も感じたことでしょう。
    「この人何者、なんか気になる、変だけど良いヤツっぽい、でもちょっとイラっとする」って笑
    彼に興味を持ち、ここまで辿り着いてくださった全ての皆様へ、感謝を込めて。

    小野ウどんの妻 小野志歩

CAST/STAFFキャスト/スタッフ

CAST

小野 ウどん

DIRECTOR

ハヤシ テツタロウ


技術協力
cunel inc.

製作
ABANK inc.

協力
POINT EDGE inc.


主題歌
「不安でも移動」シャムキャッツ
作詞・作曲 夏目 和幸


2023年|日本|91分|DCP

THEATER劇場情報

地域 劇場 TEL 公開日
東京 アップリンク吉祥寺 0422-66-5042 2023/3/31(金)~4/6(木)